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「口の中を広く」「軟口蓋を上げる」とは?~MRI画像で検証

こんにちは。
声楽家,アレクサンダー・テクニーク教師
木俣時子です

 

「口の中を広く」とか「軟口蓋を上げて」などと言いますが、
実際 どうすれば良いのでしょう?


「ミクロ決死隊」(子供の頃テレビで見た映画)にでもならない限り
口の中は見られないと思っていたのですが、

最近は歌っている時の様子をMRIで映したものを
動画サイトで見ることができます。

興味深い動画を見つけたので
解説を入れながらご紹介します。

Singing in the MRI with Tyley Ross – Making the Voice Visible

映像がはっきりしていて
口びるや、舌の動きがよくわかります。

軟口蓋(VELUM,SOFT PALATE)の動きもよくわかります。

 

軟口蓋及び口蓋睡

図1


図1は、矢印にはさまれた軟口蓋と後ろの壁との間が空き
鼻腔の方にも息が流れる

管楽器を吹く時の鼻ぬけの状態だと思います。

歌ったり話したりする場合は、
N、ナ行、仏語の鼻音などを発音する時やハミングの時に
この状態にします。

 

図2

図2は→の先軟口蓋を後ろの壁につけ、
鼻腔へのゲートを閉じています。


上記に挙げた鼻に抜ける発音をする時以外は
こちらの状態で声を出していると思います。

 

管楽器を吹く時は息が鼻に抜けると
音もしっかりせず
息の無駄遣いになってしまうのでこの様にゲートを閉じます。

 

「軟口蓋をあげて」と言われますが、こんなふうに動くのですね!
一番奥の後ろの壁に付く部分が口蓋垂(喉ちんこ)です。
食べ物が鼻に入らない様ゲートを閉じる仕事をしています。

 

喉頭

図3

→に囲まれた部分が喉頭です。(喉頭についてのブログはこちら
声帯もこの軟骨の中にあります。

喉頭頭蓋骨から吊り下げられています
だから動くことできるのです。

 

口の中の様子と音色

動画1分50秒くらいから
プッチーニのオペラのアリア「誰も寝てはならぬ」の
最高音を
4種類の声の出し方で歌っています。

違いが分かりやすい様にラインを入れてみました。

の形
・舌と口蓋はさまれた息の通り道の形

下唇の開き方

あごをどれくらいあけるか

喉頭の高さ

などに違いが見られます。


オペラやロックなどを歌う人が皆

この様にしているかどうかは分かりません。

ただ映像を見て、

「この声が出てる時はこういう動きなんだ」
ということは分かります。

またこの映像では声帯閉鎖の様子が分かりません。
4種類の歌の音色の違いのついてはその辺も変えていると思います

 

「口の中を広く」とか「喉を開けて」について

この言葉は声の質(音色)に結びついていると思います。

聞こえてくる声が何かつまった感じがする時
つまってるんだから開ければいいんじゃない!

という発想です。

あるいはそう言っている人なりの

口の中を広くしたり、喉を開けたりするやり方があり
音色と結びついているのかもしれません。

口の中の動きはとても複雑です。

上記に挙げた
舌、軟口蓋、唇、喉頭などの動きがからみあっています。

まずは実験しながら
出したい声を探してしてみることなのかなと思います。

実験しているとだんだん分かってくることもあるしょう。


私がレッスンする時はなるべく具体的な提案をする様にしています。

なのか声帯なのかなのか。

声を聞き動きを見て私なりに判断し提案をします。

但しそれが正しいかどうかは分からないので
「私には〜にみえるので」という言い方になります。


人によって構造も感じ方も違う可能性もあるので
出てくる声と、体の負担と、呼吸との兼ね合いをよく観察します。

部分を細かく見ながらも全体を見わたしていることが大切だと思います。

                                           


 

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