「美しい声を出したい」と思ったら
要になるのは、響きですね。
声の響きには母音の発音が大きく影響します。
(響きのきっかけを作るのに子音は重要ですが,
子音で声を続けることはできませんから)
発音記号から見る母音の発音
発音記号には国際基準の国際音声記号(IPA)と
それを簡略化して分かりやすくしたJones式の発音記号があります。
私たちが慣れ親しんでいるのは後者です。
以下はウィキペディアからの転載ですが
IPAに準じているので母音の数も多く、知らない記号もあります。
でも,とても興味深いです。
前舌母音(まえじたぼいん、ぜんぜつぼいん)とは
舌の最も高く盛り上がった位置が最も前で調音される母音。
あるいはその位置に近いものも含む。軟母音と呼ばれることもある。
国際音声字母では、
舌の最高部が最も前で最も硬口蓋に近い母音を [i] と定め、
そこからそのままあごを開いていきもっとも開いた状態である [a]
に至るまでを聴覚印象によって3等分し、[i] [e] [ɛ] [a] という基本母音を定めている。
その4つの母音を第1次基本母音といい、それに対する円唇母音の4つを第2次基本母音という
後舌母音(あとじたぼいん、こうぜつぼいん)とは、
舌の最も高く盛り上がった位置が最も後ろで調音される母音。
あるいはその位置に近いものも含む。奥舌母音(おくじたぼいん)ともいう。
国際音声字母では、
舌の最高部が最も後ろで最もあごの開いた状態の母音を [ɑ] と定め、
そこからそのままあごと唇を閉じていき、最も閉じた状態の [u]
までを聴覚印象によって3等分し、[ɑ] [ɔ] [o] [u] という基本母音を定めた。
その4つの母音を第1次基本母音と呼ぶ
円唇母音(えんしんぼいん、まるくちぼいん)とは、
唇の丸みを伴った母音のことをいう。
母音を調音する際の唇の形にはさまざまなものがあるが
調音音声学では丸みを帯びるか帯びないかで二分割し、
丸みを帯びないものは非円唇母音という。
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発音をつくる3要素
私がとても興味深いと思ったのは
前舌とか後舌とかいうのが
舌の一番盛り上がった所の位置だということです。
舌の形状を表すのに、舌先の位置を示すのは分かりやすいですが
「例えば舌の先端を上前歯につけましょう」と言っても
舌をスプーンの様にへこませることもできるし、
スプーンを伏せた様に、盛り上げこともできてしまい、
出てくる音はさまざまです。
どこが盛り上がっているかを示せば舌の形を表せます。
実際、自分の舌がどーなっているかは分かりにくいですが
発声的にも とても大切のことです。
ブログの最後に日本語の母音発音の口の中の図を参照したので
参考にしてください。
・舌の形、
・顎をどれくらい開くか
・唇をまるくするかしないか
この3要素で響く空間の形が決まるので
出てくる音も限定できるのですね。
それでは
イと言ってみましょう。舌の前の方が盛り上げると思います。
イーと言い続けながら、顎を開いていきましょう
舌も声帯や息も同じ、でも出てくる音は
イ エ ア と変化していきますね。
これを聴覚で3等分するというのもおもしろいと思いました。
同じことを唇をまるくすぼめる様にして言ってみると
円唇の母音となり、違う音になります。
動画も作ってみました。
日本語を国際音声記号IPAで表す
大辞林 特別ページより
日本語のアは広母音[a]。
国際音声字母では前舌の広母音を[a]、 後舌の広母音を[ɑ]と書き分けるが
日本語のアはいずれかに決めることはできない。 ここでは印刷の便宜上[a]で記す。
イは前舌の狭母音[i]。
ウは後舌の狭母音で、唇の丸めのない[Ɯ]。 円唇母音[u]とは区別される。
スツズの音節では中舌母音の[Ɯの上に印が付いた記号]。
エは前舌の半狭母音[e]。半広母音[ε]よりは狭い。
オは後舌の半狭母音[o]。微弱ながら円唇性が認められる
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となっていいます。
ス ツ ズ など前に来る子音によっても違ってくるのですね。
歌唱における日本語の発音
上記IPAで示されたのは、話す場合の発音で、
クラシックの発声でレガートを重んじて歌う場合
多少違ってくると思います。
例えば イやウ でも
顎はある程度開ける必要があります。
ウやオはしゃべる時より唇を丸くします。
アは前舌ではなく全体に平たくするように思います。
前につく子音、言葉、音程によっても違ってはきますが。
いずれも口の中の 息が通り響く場所を
しゃべる時より広くしています。
息が通り響く場所(声道)をどう形作るかによって
言葉だけでなく、響き、声の出しやすさ、大きさまでが
変わってくると思っています。
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