こんにちは
声楽家、アレクサンダー・テクニーク教師
木俣時子です。
喉の構造 基礎
声が出る(発声)しくみは結構複雑ですし
実際まだよく分かってないことも多いと言われています。
私も随分長い間 発声については
「息で歌う」とか「頭に響かせる」とか「複式呼吸」とか...
かなり色々勉強したつもりでした。
でもこれから書く構造上のことについては
アレクサンダー・テクニークを勉強するまで
興味を持つこともありませんでした。
アレクサンダー・テクニークと体の構造に関しての知識は
別のものではありますが、私はATの勉強する過程でこれに興味を持ち知りたいと思いました。
授業もありましたが初めは声帯の図などを見ても
これが自分のどの部分でどう働いているのかなかなかピンときませんでした。色々調べてるうちにだんだん分かるようになってきましたので
今回は知っていても損はない大まかなことを書いてみます。
同じことを沢山の図を使って表しますので総合することによって立体的なイメージができると良いと思います。
咽頭、喉頭
喉と一言に言っても咽頭と喉頭があります。
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭から成り
鼻の奥から食道につながる部分です。
風邪をひいて喉が赤くなると咽頭炎と言われたりしますね。
咽頭より前下の喉仏の周辺を喉頭と呼びます。
空気の通り道です。
喉頭は甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨などからなり
声帯は甲状軟骨の中に前後に張っている二つの粘膜に覆われた筋肉です。
甲状軟骨の上に舌骨があります。
こちらは軟骨ではなく、骨です。
舌骨は下図’ではわかり難いですが、自分の喉仏の上方を触ってみると
馬蹄形の骨があるのが分かるかもしれません。
息の通り道
喉仏の下には何があるでしょう?
そうです。気管ですね。
空気は肺から気管支、気管を通り喉仏を通り抜けて口、鼻に抜けていきます。
goo辞書よりの図で分かる様に
空気(息)の通り道は食物の通り道より前にあります。
空気も食物も口から入り、食物が来た時は
喉頭蓋がおりて、喉頭に蓋をするため、食物はその後にある食道に流れていきます。
それ以外の時は、喉頭蓋が開いている状態で息が自由に出入りしています。
そして息をはく時に左右の声帯を閉じると声帯が振動し声の原音ができます。
声を出していない時には左右の声帯は開いています。
下記の動画では舌骨、甲状軟骨、輪状軟骨,披裂軟骨などの喉頭の構造や
喉頭蓋の働き、そして声を出した時の声帯の動きなどが
紹介されています。
色分けしてあるので構造が分かりやすいと思います。
喉頭の筋肉とその働き
こちらは声が出るしくみ~ 動画で声帯周辺の軟骨や筋肉の動きを見よう
以前書いたブログの抜き出しです。
今回は基礎編ですので触れませんが筋肉の働きなどはこちらに書いてあります。
声のもと、声帯原音は肺からき来た息が声帯を振動させることで作られます。
喉仏に入るサイズのとても小さい筋肉たちが働いて
低い声から高い声までを出しています!
ちなみに音程を司るのは声帯の働きですが
高い声はなぜでるの? 輪状甲状筋の働き 参照
言葉や響きは息が声帯を振動させた後の通り道(声道)で作られます。
実際に発声する時 役立つボディマッピング
これらのしくみは分かっているからと言って発声がよくなる分けでもありません。
知らなくても十分立派に歌っていらっしゃる方も多いでしょう。
でもとても興味深く面白いと思うのです。
例えば息が通る気管は首の一番表面に近いところにあります。
気管切開など知識としては知ってることかも知れません。
でも歌う時、声を出す時はどうでしょう。
息を回すなどのイメージから忘れているかも知れません。
それで上手くいっているのであれば何の問題もありません。
ただそれによって声を呑んでしまったり、こもらせてしまったりしている場合は
このマッピングが役に立ちます。
マッピングミスは必ずしも悪い影響を及ぼす分けではないし
ミスではなく敢てそうイメージしていることが多いと思いますが
いつのまにかあたかもそれが本当の構造の様に思っていることがあります。
それで上手くいっているのであればそのやり方でよいのです。
ただ故障、加齢などから何か上手くいかなくなってしまった時、或いはそういう生徒さんを見る時にはある程度正確なマッピングが役に立つと思っています。
喉仏の中の前後に張った声帯が
赤ちゃんの鳴き声の様に自然に振動する
というのが無理のない発声なのだと思います。
次回はこの声帯の振動について地声と裏声の違いなど
少し細かいややこしいことを書いてみたいと思います。
おまけ
こんな楽しい動画があったのでご紹介!
軟骨や筋肉の名前の英語が分かりやすいです。
(私自身、英語が得意な分けではないですが)ここまで書いたことの復習によいと思います。vocal cord’sの図のfalse(仮声帯)の色づけの場所は?ですが…
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