こんにちは。
声楽家,アレクサンダー・テクニーク教師
木俣時子です。
「そこはもっと歌って!」
なんて言われたことありますか?
「あの人の歌(楽器でも)歌心がある」
という言い方もしますね。
さて こう言われる人は
どんなことをしているのでしょうか?
私が観察したところ
★ 1つ1つの音の始め方
★ 次の音へのつなぎ方
に表情、表現があります。(当たり前か…)
日本歌曲「浜辺の歌」を例にみてみましょう
★「あ」の音の始め方
音色は? 息のスピードは?
朝という意味のあしたの「あ」なので
あまり暗くはないでしょう。
ただ主和音の中の音なので
おちついた感じ
息のスピードは 6/8拍子の♪八分音符なので
1拍、この曲において基本的なスピード
★「あ」から「し」のつなぎ方
「あ」は語頭ですが弱拍です。
この曲の初めの強拍「し」に向かっていきます
(アウフタクト)
「あ」だけでも随分色々な要素がありますね!
ここからはもう少しザックリ
●8分の6拍子 123456 の様に
1拍め 4拍めに重さをおく
(波にゆれる感じ)
●フレーズの山とおわり
あしたはまべ までふくらみ
ーを でおさめる というように
クレッシェンド デクレッシェンド をつける
●曲の構成 を考える
4小節が1組で
Aは同じ様なメロディーが2回繰り返される。
Bはいわゆる サビのメロディー
CはAの2回めのメロディーと同じ
♪ Bが盛り上がる(二部形式)
a | a’ | b | a’ |
*******
これらは、歌い方の1例です。
考える要素とそに対しての1つの奏法を
あげてみました。
初心者でよく分からないという方は
拍子感と
フレーズの中の山に向って大きくし
終わりに向って小さくする
だけでも棒歌いでない、抑揚のある歌に
なると思います!
歌い過ぎ!
特にこういうことを考えないでも
自然にやっていることも よくあります。
ある意味 歌心のある歌が歌えている。
ただやり過ぎだったり
1音1音にクレッシェンドがつくと
後押しした感じでフレーズが見えません。
次の音へ息でまっすぐつなげていく
(喉でよけいなことをしない)テクニックも必要です。
歌いすぎと言われる場合
「いつもの習慣で抑揚をつけている」
可能性があります。
まずは「意図して曲想をつける」ことを練習し
気持ちと曲想が一体となる様にします。
仕上げの時には気持ちの通り演奏すると
曲想が表現される様にしたいものです。

